ハコヅメ

今回は副署長と鬼瓦教官に触れていく。元機動隊で武道の達人と泣く子も黙る“元スーパー女性警察官”は、作中きってのお似合いの夫婦といえるだろう。そんなふたりは、後輩に厳しくも温かい眼差しを送る。

以前モジャツンコンビを取り上げたが、源がメインだったため、今回は山田にフォーカスする。いついかなるときも人の心に寄り添い、人のために尽力する山田武志こそ、作中随一のナイスガイと呼べるだろう。

横井係長は一見地味で特殊能力こそないものの、個人と組織のバランス感覚に優れ人柄も素晴らしく、まさに町山署の「聖母」である。特に“くノ一”カナや、かつての上司・立浦巡査部長との物語は胸を打つ。

町山警察署には個性的で変わり者だが、人情に厚い警察官の宝庫である。中でも、中富課長、北条係長、西川係長の3名は部下想いの理想的な上司である。そんな彼らが織り成す、それぞれの物語を振り返る。

今回は、岡島県警史最大の麻薬事件「奥岡島事件」にまつわる父と娘の物語である。反社の首領として多くの人から奪い取ってきた虎松譲二が娘に遺したモノ…。それは額に汗して懸命に育てたモノだった。

警察漫画の名作「ハコヅメ」レビュー。主役の川合ちゃんや藤聖子を差し置き、“モジャツンペア”源と山田にフォーカスする。書類仕事はダメでも、人の心の機微が分かるナイスガイのエピソードを紹介する。